ご挨拶


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故・島 悟 先生

 多くの職場において、メンタルヘルス対策は必須となっています。そのためにも、事業場内の産業医、保健師、心の健康づくり専門スタッフなどによるケアがまず一番大切です。次いで重要なのは、事業場外の医療機関、公的機関、カウンセリング機関などメンタルヘルスの支援機関によるケアです。しかし多くの事業場ではその体制は十分に整っておりません。

 一方、事業場内外において十分な支援機能を有する支援機関が少ないという実態もあります。

 産業精神保健業界のトップリーダーであった精神科医の故・島 悟 先生は国の心の健康づくりに関する施策にも多岐にわたり参画しておられました。なかでも外部メンタルヘルス支援機関の設立と拡充を目的に、ご尽力されておりました。しかしながら、志半ばですい臓がんにより2009年に逝去されました。

 私どもは故・島 悟先生のご意思を継ぎ、現在の事業場内外のメンタルヘルス支援体制の充実を図り、職場において労働者、組織両者を支援できる高い水準の体制を実現したいと考えております。そのためにも産業保健に明るい精神科医が、事業場内の産業保健スタッフの一員として実働し、また事業場外資源としても実働する必要があると考えております。そして、そのような精神科医が主宰し、職場に対して包括的な支援を提供できる機関を結集していきたいと考えております。

 本協会と姉妹関係にある一般社団法人精神科産業医協会も、生前の島 悟 先生と志を共にされてきた先生方が多く参集しており、互いに密接な協力関係にあります。

 職場のメンタルヘルス体制の構築ために具体的には、1)労働者への個別対応、2)職場への組織対応、3)相談窓口の設置、という3点が重要となります。

 こうした重要事項に対し、総合的かつ包括的に支援できうる機関の情報を社会に対して提供すると共に、支援機関相互の情報交換、知識及び機能向上のための研鑽等を行い、労働者及びに事業場における精神保健の増進に寄与することを目的として、2015年7月1日「一般社団法人 日本メンタルヘルス支援機関協会」を設立いたしました。

 

一般社団法人 日本メンタルヘルス支援機関協会
代表理事 高野 知樹

「日本メンタルヘルス支援機関協会」設立にあたって

 メンタルヘルス不調者の増加は、企業にとって生産性の低下、コスト負担増はもちろん、次の不調者への連鎖など、企業の生産活動に大きな影を落としています。 労働者が心身ともに健康に働くことは企業の生産活動の基本です。精神的健康は労働者にとってかけがえのないものであると同時に、それは、企業の発展につながるものでもあります。労働者と企業、その両者にとって有用な職場メンタルヘルス活動の充実の必要性は非常に高まっております。

 職場のメンタルヘルスの充実には、経営者、人事労務担当者、管理監督者、産業医を初めとする産業保健スタッフなど事業場内の関係者の考え方や方針、そして言動が非常に大きく左右します。同時にこれらの方々それぞれに大きな負担がかかります。したがって、それぞれの方々をそれぞれに支援する必要があります。

 また、職場のメンタルヘルスの難しさの一つは、どこまでが健康上の問題でどこまでが労務上の問題かを整理していくことにあり、そのためには精神医学的見識が必要となります。さらに、メンタルヘルス不調に陥ってしまった方に対しては精神医学的な見識に根差した適切な関わりが必要となります。

 これらのことがらを考えますと、労働者の精神的健康の維持、そして、企業活動の健全な発展のために職場のメンタルヘルスの充実を図るためには、事業場内関係者の支援とそして、事業場外での支援の両者が不可欠であり、同時に、精神医学的な見識を欠くことはできません。

 このような状況に鑑み、このたび、労働者本人はもとより、職場のそれぞれの立場の方々を、事業場内資源としても事業場外資源としても支援できる、そして、精神医学的な基盤がしっかりとしたメンタルヘルス支援機関の育成と連携をはかるため一般社団法人日本メンタルヘルス支援機関協会を設立する運びになりました。

 この分野における日本のパイオニアであり、われわれの指導者であった故・島 悟先生の後継者である高野知樹先生が理事長です。島先生の意志を引き継ぎ、勤労者と職場の役にたつメンタルヘルス支援機関の育成に寄与したいと考えております。皆様のご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

一般社団法人 日本メンタルヘルス支援機関協会
副代表理事 渡辺 洋一郎

一般社団法人
日本メンタルヘルス支援機関協会

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